2022/11 デフォルト・モード・ネットワークの特徴を知り、生活に取り入れてみた

藤井
本社

こんにちは、本社所属の藤井です。

CVCでは先月、社内での取り組みとしてLT大会が開催されました。今回のテーマは、私がそこで発表した内容に、若干+αしたものになっています。

「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」…聞きなれない言葉かもしれませんね。 "ネットワーク"とつくので技術的なお話かな?と思われた方もいるかもしれませんが、今回は脳に関係するお話をしたいと思います。 DMN(脳機能)の話

さっそくですが、みなさんには下記のような経験はあるでしょうか?

きっと多くの方は経験があるのではないでしょうか。実はこれらのちょっとしんどい現象は、DMNのメリット・デメリットを理解してうまく対処することで防ぐことができるようになるかもしれません。

実際に私も生活にいろいろ取り入れてみたところ、作業に対する集中力の向上やネガティブ感情への対処などの面で特にメリットを感じています。

今回の内容は、先月のマインドフルネスについての記事に関連している部分もありますので、ぜひあわせて読んでもらえると嬉しいです。

デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とは?

DMNとは、簡単に言うと、安静時(ぼんやりしているとき)に活動を示す脳の領域(ネットワーク)の1つです。

DMNの働きは、車のアイドリング状態によく例えられます。 走っていないときでもエンジンが一定の回転数で回って発進時に備えているのと同じように、脳も常に一定以上のエネルギーを使ってDMNを活性化させ、記憶の整理を行ったり、急な刺激に対処できるよう備えています。 集中時と非集中時の脳の使い方

私はDMNを知るまで、ぼんやりしているときよりも作業に集中しているときのほうが脳はたくさんエネルギーを使っていると勘違いしていました。実際にはぼんやりしているときでも集中しているとき以上にエネルギーを使っているので、何もしていなくても疲れてしまうことがあるようです。

思えば、一日中お布団でごろごろしたり眠ったりしていただけなのに、全く疲れが取れないどころか、夜が近づくにつれてますます気分が滅入ってしまうような日もありました。こんな憂鬱な一日は、自分の中ではゆっくり休憩しようとしているつもりでも、DMNを働かせすぎて逆に疲れてしまっていたのかもしれません。

DMNのメリット、デメリット

さて、そんなDMNには、活性化することによるメリットとデメリットがそれぞれあるので紹介していきます。

メリット

頭の中の情報整理ができる

DMNは睡眠時などにも活性化されるようです。 「睡眠時に記憶の整理が行われる」というのはよく聞く話ですね。

ひらめきが起こりやすくなる

情報整理を行う過程で、情報と情報が結びつくことで、それまでの自分では考え付かなかったようなアイデアが浮かびやすくなります。

体がリラックス状態になる

脳はエネルギーを使う反面、体はリラックスできるようです。

デメリット

脳が疲れやすくなる

前述の通り、アイドリング状態の際、DMNは脳のエネルギーを60~80%も消費しているようです。

注意力が散漫になる

様々な考えが頭を巡ってしまうため、DMN活性化中は集中した作業ができなくなってしまいます。 集中しなければいけないのに集中できないときは、脳の情報が溢れすぎていて自動的にDMNがONになっている可能性があります。

ネガティブになる

DMNが暴走すると、過去の嫌だったことや不安などが想起されやすくなってしまいます。

脳のために、するといいこと、だめなこと

前の項目のメリット、デメリットを理解したうえで、ここからは実際にDMNをうまく扱うためには何をしてはだめで、何をするといいのか?を紹介していきます。 実践される際にはDMNのオンオフを切り替えるような意識を持っていただくと、よりその行動の理由が理解できるかもしれません。

したらだめなこと

カフェインに頼る

「さあもうひと頑張りだ!」というとき、エナドリやコーヒーなどの"とりあえずのカフェイン"で自分にブーストをかけたつもりになることは無いでしょうか?

カフェインだけを摂取したとしても、それまでに貯まった脳疲労は発散されません。休息をしっかり取り、カフェインは適切な量を適切なタイミングで取るようにしましょう。

ちなみに今回の主題とは逸れますが…

カフェインを摂取してから効き始めるまでには時間差があります。その性質を利用して、15~30分の仮眠を取る直前にカフェインの入ったものを飲むことで、目覚めたときに丁度効いてきてスッキリするようです。ぜひお試しを。

休憩のつもりでスマホをいじる

これはかなりやってしまっている方が多いのではないでしょうか?

スマホの刺激は脳にとってかなり強く、ぼんやり眺めているつもりでもDMNの活性化が阻害されてしまいます。せっかく意識的に休憩中をとっても、その間で情報整理が行われないと、脳にとっては結局意味がなくなってしまいます。

あまり長時間画面を見続けるのは脳にも目にも悪いので、今日からはついついスマホに伸びる手をぐっとこらえてみませんか。

するといいこと

デジタルデトックス

エンジニアはただでさえ電子機器を触っている時間が長いですよね。

前述の通り、電子機器の刺激は脳にとっても負担が大きいので、仕事以外のタイミングでは見る時間を意識的に減らすと良いようです。

マインドフルネス

やり方は先月の佐々木さんの記事で紹介されていますので是非読んでみてください。

マインドフルネス瞑想は脳のオンオフを鍛えられる訓練のようなものらしく、続けることで不安や恐怖を司る扁桃体が小さくなったり、記憶に関係する海馬が大きくなったりなどの変化が出るという研究もあるようです。

15分程度の睡眠

睡眠時はDMNが活性化され、脳の中の情報が整理できます。

15分程度であればいつでも取り入れやすいので、ぼんやりする時間があるとついついスマホや仕事に手が伸びてしまうという人は、いっそ寝てしまう方が良いかもしれません。私は昼休みの終了間際15分間などで昼寝することが多いです。

最近自分が取り入れていること

LT会では、実際私がどういう風に取り入れているのか?についての質問をいただいたので、今回の記事でも2つ紹介します。

1. ネガティブな気持ちになりかけたら、すぐに頭を集中モードに切り替えるようにする

ふとしたきっかけでネガティブモードに入ってしまったとき、「いま、私の脳で、DMNが働きすぎている!」と理解するようにしました。

不思議なもので、不安も恐怖も怒りも全部、結局は脳やホルモンの機能に過ぎないんだよな…と考えると、自分の負の感情も事務的に処理できて、切り替えが楽になってきています。

結果、今も短時間はネガティブモードに入ることはありますが、ネガティブになっている時間はかなり減少しました。

集中モードへの切り替え方も色々試していますが、私がよくやる方法は下記です。

これらは、ネガティブモードで体を動かすことすらしんどくなってしまったときにもハードルが低く、実施しやすいです。

とにかく「DMNの暴走を抑える」ことを意識し、自分なりに実施しやすい方法で自分の内面以外に集中してみると良いと思います。

頭を切り替える

2. 業務後の散歩(歩行瞑想)

これは自分的には特にお気に入りの方法で、運動不足の人には特にオススメしたいです。

マインドフルネスでも手軽にできる瞑想として「歩行瞑想」というものがあるらしく、私もそれをゆる~く取り入れながら行っています。

やり方は簡単で、

という感じです。

個人的に、この方法のお気に入りポイントは3つあります。

最近自宅の近所では、手作りお菓子の売っている自販機、隙間にずっと分銅が挟まっている排水溝、2連のカニのキーホルダー(落とし物)などを発見しました。 近所で見つけた興味深いもの

おわりに

DMNのメリットデメリットの説明から、自分が生活に取り入れている方法を紹介させていただきました。

みなさんそれぞれに考え方の癖や生活スタイルがあると思いますが、もしも今回の記事で参考になりそうなことがあれば、ぜひ取り入れてみてください!

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